「捨てない整理術」があってもいいんじゃないかな、という話。
以前、こんなエントリーを書きました。
多くの皆さんと同様、僕もいわゆる「ミニマリスト」への憧れが根強いわけで。
それで去年の末、思い切って大掃除がてら様々な物を処分してみました。
それはもう色々と。本棚などは随分とスカスカになってしまってかなり寂しいことになっております。
以降は、物を増やさないようにこれまで過ごしてきたのですが、そうするとおもしろいもので、物欲もだんだんとなくなってきた気がするのですよね。
『インテリアハック』みたいなブログをやってるくらい新しいモノ・面白いモノ好きの僕が、です。
無駄な買い物もなくなったし、これは良い傾向だなぁと思っていた・・・のですが。
最近、捨てたものをふと思い返して、「もったいないことしたかなぁ・・・」と感じることが増えてきたのですね。
もう読み返すことはないかな、と思っていた本も、手元からなくなってみると再読欲が湧いてきたりして。要するに「保有効果」です。未練がましいヤツでスミマセン。
それで色々と考えてみたのですが、人間って本来「捨てる」のにあまり向いていないんですよね。
先ほど書いた保有効果もそうですが、得よりも損のほうが大きく感じる心理(プロスペクト理論とか損失回避とか)や、現状維持バイアスなんてのもありますし。
捨てるコツというのは、大抵そういった心理を抑えるか、そらすか、誤魔化すかといったテクニックが主だったりします。別に悪いことではありませんが、そんなにしてまで無理に捨てる必要ってあるのかな、と思う今日このごろ。
そもそも子供の頃から「物は大切にしなさい」と口を酸っぱくするほど言われてきた僕らが、その矛盾に納得できるはずないのです。言い訳じゃありませんよ?
物欲がなくなってきたのも良し悪しで。ワクワクすることが減ったのも事実だったりします。やっぱり買い物とか楽しいですし。
自分にとって必要なもの(大切なもの)だけを買う(持つ)ともよく言いますが、結局は買って、使ってみないと、本当に自分に合ってるかどうかってわからないんですよね。
思っていたものと違ったなんて経験も、それはそれで一つの発見ですし、なんとか使い倒してやろうとあれこれ活用法を考えるのも想像力を刺激して楽しいもんです。
まあ、新しくモノを買わずに、いまあるものを組み合わせてあれこれとやりくりするのも、それはそれでクリエイティブな感じで楽しいので、上手くバランスを取りながら生活していくのがいいのでしょうね。
よく「捨てられない」ことに悩んでいるなんて話を聞きますけど、捨てる=正義って誰が決めたのかな、と。
物事に優先順位をつけるのは大事ですし、本当に大切なものを見失っては元も子もありませんけど、優先順位の低いものを容赦なく切り捨ててしまう必要もないんじゃないかなーと思ってたり。
「保留」ってあまりいいイメージないですけど、物事になんでも白黒つける必要なんてないですし、そもそも白黒なんてその時々で簡単に入れ替わっちゃいます。
整理術って聞くと、どうしても「捨てる」ことを目的にしがちですけど、優先順位だけつけてそれに合わせて配置(収納)してあげるだけで、必ずしも「捨てる」行為を含めなくてもいいんじゃないかな、と。
まあ、こういったことを実感できたのも、思い切って断捨離にチャレンジしたからですし、なんでも先入観を持たずに色々と試してみるのが肝要ってことでしょう。
一つのやり方、考え方に固執してると、生き方も窮屈になってしまいますもんね。
「捨てないための整理術」なんてのも、今後じっくり考えてみたいなぁ、というお話でした。